算数の文章題にマインドマップを活用したA子ちゃん

A子ちゃんは、小学5年生の女の子。
算数が大嫌いでした。小学4年生の時にあまりにも算数が分からなくなったので入塾。小学1年生の繰り上がり&繰り下がりから復習を開始し、小学5年生の春には、学校の授業と同じ進度で学習できるほどになりました。

けれど、文章題はからっきしダメでした。文章に出てきた数字を適当に足したり引いたり、掛けたり割ったりして、たまに〝当たる〟こともありましたが、本当に理解してできていた訳ではありませんでした。だって、「この問題を解くのに、なぜ掛け算を使ったの?」という問いかけに、「今掛け算の勉強をしているから。」と答えていましたから!他にも、立式が2つ以上必要な問題が解けたことは、ありませんでした。

そんなある日…
小数の掛け算をマスターしたのはいいものの、文章題になると、やはり全く手も足も出ない状態。文章問題を前に、難しい顔をしてうなっています。そんなA子ちゃんを見て、私(若井)が声を掛けました。

「A子ちゃん、マインドマップで問題の内容を整理してみたらどうかな?」どう整理していいか分からないA子ちゃんに、その方法を説明しました。

すると、先程までの苦しい表情とは うって変わって、楽しそうにマインドマップを描きはじめたA子ちゃん。

いくら「よく読め!」と言ったところで、よく読むとはどういうことかが分かっていない子は、音読すること位しか出来ません。また、文章問題をそのまま書き写させても、何の解決にもなりません(そこで気づける子もいるでしょうが、それはかなり少数派でしょう)。音読=理解が深まる、書き写す=理解が深まる、なんて単純には解決しないのです。

ちなみにA子ちゃんは「よく読んでから内容を図や絵にしてみなさい」と言ってスラスラ描ける段階ではありませんでした。ですので、どんな風に描けばいいのかを始めにアドバイスをして、その上で取り組んでもらいまいました。

マインドマップで整理するメリットは、思いついたことは、なんでも気楽に書いたり描いたりできることです。

A子ちゃんマインドマップで文章題を整理

現時点で分かっていること、気づいていることを言葉で説明することも容易です。マインドマップを見ながら説明できるし、講師側がそれを見ながら確認することも容易になります。どこまで理解しているのか、どんな誤解をしているか、どう導こうとしているのか、次どんなアドバイスを与えれば突破できるのか・・・などが「見える」のです。だから、ポイントをしぼった指導ができるのです!

マインドマップで整理した結果、文章問題が解けました。しかし、ここで終わっては勿体無い!A子ちゃんに考え方を説明してもらいました。たまたま出来ただけなのか正しい理解の結果出来たのか思考過程を聴けば、明確になります。これにより、A子ちゃんは正しい理解の結果、答えを導けたということが証明されました!

今はその問題を解くことができました。しかし、人間の脳は忘れるようにできています。ですから、この後絶対にこの問題が解けるのか?と言ったら「絶対」ではないのです。でも大丈夫♪単に問題を解いた時と違い、マインドマップに思考過程が描いてあるので、それを見返すだけで、容易に復習することもできるのです。マインドマップに描けば、問題を解きやすくなるだけでなく、その振り返りも短時間で簡単にできるようにもなるのです。

A子ちゃんに、正しい答えを導くことよりも、空欄を埋めることに意識が向いている子は、思考過程の大切さに気づいていない場合が多いので、繰り返し、自分の考え方を説明する機会を作ります。それにより、なんで・どうして、と思考過程を考えることは「面倒」ではないこと、むしろ思考過程を大切にした方が解決の糸口がみつかりやすいこと、などを感じてもらうのです。

その後A子ちゃんは、読んだだけでは分からない問題にぶつかると、自分からマインドマップを活用し整理するようになりました。自分1人で考え方の道筋を示せるようになっただけではありません。

A子ちゃん2通りの解き方に挑戦

ある時は、2通りの方法で答えを導き出していました。1つ目の考え方で答えを導いた後、別のアイデアも浮かんだので その方法も試してみた、とのこと。数ヶ月前までは数字を適当に当てはめて式を作っていたA子ちゃんでしたが、単に答えが出ればいいのではなく、自ら積極的に問題に取り組めるほど成長したのです。学び方を学ぶと、子どもは自ら成長していけるのですね。


この話は、ここで終わりません。

A子ちゃんは、だんだん 読んだだけで情報を整理できるようになってきました。わざわざマインドマップを描かなくても、立式して答えられるようになってきたのです。
意地悪な私は、A子ちゃんにこんな質問をしました。
「今回は読んだだけで解けたけれど、今後いつもそうとは限らないよ。読んでも分からない問題に遭遇したらどうする?」

するとA子ちゃんは、
「大丈夫!読んで分からなければマインドマップに整理すれば、私の中から答えが出てくるから。」と微笑みながら答えてくれました。


いかがでしょう?

読書後にマインドマップを描くD子ちゃん

単に、「文章問題が解けるようになった事例」の話で終わりにして頂きたくないのです。学び方を学べば、子どもは自ら挑戦する勇気を持ちます。そのためには、私達大人が、単に知識を伝えるのではなく、その子の思考過程に合わせた的確なアドバイスをし、「学び方」を「学ばせる」必要があるのではないでしょうか。

口頭の説明だけで、それが理解できる子も多くいることでしょう。しかし、そうではない子でも、マインドマップを描けば、その子の思考の流れが明確になります。必要なアドバイスがピンポイントでできるようになります。

この世界に頭の悪い子はいません。頭の使い方のコツが分からず、もがき苦しんでいる子がいるだけです。

目の前の問題が解けるようになるだけではなく、思考の仕方や頭の使い方が明確になる「マインドマップ」を あなたのかわいいお子さんに 活用させてあげませんか?

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